マネジメント知識帳

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嫌子消失の強化とは?

嫌子消失の強化(けんししゅつげんのきょうか)」とは、行動分析学からみた人間の行動の法則の一種です。好ましくない状態(嫌子)が消失する行動を行なうと、その後はその行動の出現頻度が高くなる(強化)傾向にあります。そのような状況が進むことを「嫌子消失の強化」といいます。

例えば、あなたはショッピングに行っていたとします。すると突然、雨が降ってきたんですね。このままだと体はびしょ濡れになります。大急ぎで屋根がある場所に避難するわけですが、このままだとショッピングを続けることができません。最悪の状況です!そこであなたは「傘」という素敵なツールの存在を知るわけです。

行動の随伴性でみるなら、傘をさせば雨に濡れなくなる、という環境の変化が起こります。雨降ってきて体が濡れとても外を歩けない状態、これは嫌子と捉えることができます。傘をさせば濡れない、一度でもこの行動を学ぶと、次からは同じ行動が強化されていきます。無意識のうちに傘をさすようになるでしょう。(雨に濡れるのが好きなんだ!って人にとっては、いつになっても行動は強化されませんが…!)

直前状態: 雨が降ってきた。体が濡れるので外を歩けない(→嫌子出現)
↓
行動: 傘をさす
↓
直後状態: 体が濡なくなった(→嫌子消失)

結果: 「傘をさす」という行動はこの後も強化される。