マネジメント知識帳

ピープルマネージャー向けの知識をまとめています

嫌子出現の弱化とは?

嫌子出現の弱化(けんししゅつげんのじゃくか)」とは、行動分析学からみた人間の行動の法則の一種です。

好ましくない状態(嫌子)が出現する行動を行なうと、その後はその行動の出現頻度が低くなる(弱化)傾向にあります。そのような状況が進むことを「嫌子出現の弱化」といいます。

例えば、あなたはいつも同じ時間、同じ販売機でジュースを買っていたとします。毎日グビグビと飲み干す。周りにゴミ箱が一切ない。不道徳なあなたは、そこらへんの道にゴミを捨ててしまいます。ところが、その道には警察署があり、あなたの不道徳な行動を警察官にみられてしまいます。

行動の随伴性でみるなら、警察に怒られる、という環境の変化が起きます。警察に怒られる、これは嫌子と捉えることができます。ゴミを捨てなければ怒られない、一度でもこの行動を学ぶと、次からは同じ行動が弱化されていきます。無意識のうちに警察署を意識してゴミを道に捨てなくなるでしょう。(警察に怒られるのが好きなんだ!って人にとっては、いつになっても行動は弱化されませんが…!)

行動: ゴミを平気で道に捨てる
↓
直後の状態: 怒られる

結果: 「ゴミを道に捨てる」という行動はこの後、弱化する。

好子消失の弱化とは?

「好子消失の弱化(けんししゅつげんのじゃくか)」とは、行動分析学からみた人間の行動の法則の一種です。

好ましい状態(好子)が消失する行動を行なうと、その後はその行動の出現頻度が低くなる(弱化)傾向にあります。そのような状況が進むことを「好子消失の弱化」といいます。

例えば、あなたはジョギングを楽しんでいたとします。時間は夜。澄んだ空気、静かな町並みを走るのが大好きです。しかし、ここ最近は工事だらけで空気が悪くなり、街は今にも襲いかかってきそうな不良で溢れかえってしまったとします。あんなに楽しかったのに、今はつらい気持ちで走っています。

行動の随伴性でみるなら、気持ちよく走れなくなる、という環境の変化が起きます。つらい気持ちになる、これは嫌子と捉えることができます。今日はジョギングしない、一度でもこの行動を学ぶと、次からもジョギングするという行動が弱化されていきます。無意識のうちに走ることを遠ざけるでしょう。

行動: 夜にジョギングする
↓
以前の状態: 気持ちいい
↓
今の状態: 気持ちよさはない

結果: 「夜にジョギングする」という行動はこの後、弱化する。

嫌子消失の強化とは?

嫌子消失の強化(けんししゅつげんのきょうか)」とは、行動分析学からみた人間の行動の法則の一種です。好ましくない状態(嫌子)が消失する行動を行なうと、その後はその行動の出現頻度が高くなる(強化)傾向にあります。そのような状況が進むことを「嫌子消失の強化」といいます。

例えば、あなたはショッピングに行っていたとします。すると突然、雨が降ってきたんですね。このままだと体はびしょ濡れになります。大急ぎで屋根がある場所に避難するわけですが、このままだとショッピングを続けることができません。最悪の状況です!そこであなたは「傘」という素敵なツールの存在を知るわけです。

行動の随伴性でみるなら、傘をさせば雨に濡れなくなる、という環境の変化が起こります。雨降ってきて体が濡れとても外を歩けない状態、これは嫌子と捉えることができます。傘をさせば濡れない、一度でもこの行動を学ぶと、次からは同じ行動が強化されていきます。無意識のうちに傘をさすようになるでしょう。(雨に濡れるのが好きなんだ!って人にとっては、いつになっても行動は強化されませんが…!)

直前状態: 雨が降ってきた。体が濡れるので外を歩けない(→嫌子出現)
↓
行動: 傘をさす
↓
直後状態: 体が濡なくなった(→嫌子消失)

結果: 「傘をさす」という行動はこの後も強化される。

好子出現の強化とは?

「好子出現の強化(こうししゅつげんのきょうか)」とは、行動分析学からみた人間の行動の法則の一種です。

好ましい状態(好子)が出現する行動を行なうと、その後はその行動の出現頻度が高くなる(強化)傾向にあります。そのような状況が進むことを「好子出現の強化」といいます。

例えば、あなたは部屋にいたとします。その部屋は、日差しが入りにくいのですが、別に過ごせなくはありません。どこに何が置いてあるのかは、見えなくもないし、そこまで不都合でもなかったりします。ただまぁ、室内なのですから明るい方がより良くなるのは間違いない!そこであなたは、電灯ボタンの存在を知るわけです。

部屋で電灯をつけるという行動。行動の随伴性でみるなら、電灯をつければ部屋が明るくするなる、という環境の変化が起こります。明るいほうがより安心・快適に過ごせるというなら、これは好子と捉えることができます。部屋に入った際に、一度でもこの行動を学ぶと、次からは同じ行動が強化されていきます。無意識のうちに電灯をつけられるようになるでしょう。(暗い部屋が好きなんだ!って人にとっては、いつになっても行動は強化されませんが…!)

直前状態: 部屋が暗いが過ごせなくはない
↓
行動: 電灯をつける
↓
直後状態: 部屋が明るくなりより安心・快適になった(→好子出現)

結果: 「電灯をつける」という行動はこの後も強化される。

行動随伴性とは?

行動の「随伴性(ずいはんせい)」とは、行動分析学において、行動と同時もしくは直後に起きた状況の変化との関係を表すものです。

人は無意識に、人間の行動は、その人の「こころ」が引き起こしていると思いがちです。ある人がなかなか言うことを聞いてくれなかったり、自分にとって迷惑なことを続けられた場合、子供であれば「問題児」といわれたり、大人であれば「自己中心的」といわれるなど、個人自体を攻撃するレッテルを貼ってしまいます。

しかしこれらを、人間の「こころ」が引き起こしているという思い込みでなく、客観的視点から行動の原因に着目した「随伴性」をみることで、個人行動の罠を避けることができます。

オペランド行動とは?

オペランド行動」とは、行動分析学において、2種類に分類される「行動」のうちの1つです。行動の原因が、時系列でみると行動の後に存在するケースを指します。

スイッチを押すという行動を行なうことで電灯をつけます。日常生活的な活動に近いものが多いという特徴があります。

レスポンデント行動とは?

「レスポンデント行動」とは、行動分析学において2種類ある行動のうちの1つです。外界からの刺激による反応によって、引き起こされた行動をあらわします。

目にほこりが入れば、涙を流すという行動にでます。口の中に食べ物が入れば、唾液をだすという行動にでます。